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連載コラム/ガンダーラ井上の「時計 なんて、時計だって」 #007 シンプル系とは一線を画す メカニカル・ウォッチ、MASTER WORKS

#007 シンプル系とは一線を画す メカニカル・ウォッチ、MASTER WORKS

この腕時計は、MASTER WORKSという新興のジャパンブランドがリリースしたもの。セミスケルトンとかオープンハートと呼ばれる仕様で、文字盤の9時位置に穴が空いていて機械式腕時計の心臓部であるテンプの動きを見て楽しめます。6時位置の針は24時間で1周し、午前なのか午後なのかが即座にわかるという付加機能も搭載されております。

#007 シンプル系とは一線を画す メカニカル・ウォッチ、MASTER WORKS

こちらが腕時計の裏面です。自動巻のロータ以外には特に彫刻などの装飾は施されていませんが、しっかりしたムーブメントです。でも、どうせアジアのどこかで作った機械なんでしょ?と勘ぐりたくもなりますが、歴とした日本製。セイコーエプソンが設計・製造し、現在はセイコーエプソンに統合されたオリエント時計に使われているものと同系列のムーブメントを特別に供給してもらっているそうです。オリエント時計といえば、昭和時代からセイコー・シチズンに並ぶ“業界の三男坊”として愛され、地道に機械式の腕時計を製造し続け、世界70カ国以上で販売されていることでも知られています。

#007 シンプル系とは一線を画す メカニカル・ウォッチ、MASTER WORKS

実直な機械式ムーブメントは、デザイン的に一捻りしたケースに納められています。外装はステンレス製で、ベゼルにはヘアラインとポリッシュ仕上げを施し、ケースと裏蓋に加えてラグの部分も別体とした4ピースの構造。ベゼル以外はサンドブラスト仕上げで、見た目のメリハリを演出しております。

#007 シンプル系とは一線を画す メカニカル・ウォッチ、MASTER WORKS

はい、こちらがデザインのスケッチです。鉛筆を使って描いているのが何だか新鮮ですよね。MASTER WORKSのデザインを担当したのはディエゴ・ボトガー氏。デザイン系ウォッチとして異彩を放つSEVEN FRIDAYブランドの腕時計などを手がけている、スイスのstudio divineというデザイン会社の所属です。ベルトを止めるラグの部分をコの字型にするというアイデアがデザインのキモになっています。

#007 シンプル系とは一線を画す メカニカル・ウォッチ、MASTER WORKS

そんなワケで、ベルトは上下2ピースではなく1本の構造で、コの字型のラグに通すだけ。表地はしなやかで発色も良いイタリアンレザーを採用し、イタリア・ボローニャ近郊の時計バンド工房で制作。ステッチはありませんが貼り合わせの2層構造になっていて、裏地の質感は非常に滑らか。あまり他の腕時計ベルトでは感じたことのないしっとりした感触は、アルカンターラという素材によるものでした。

#007 シンプル系とは一線を画す メカニカル・ウォッチ、MASTER WORKS

アルカンターラって羊革のスエードのことを示すイタリア語かな? などと妄想しつつ調べてみれば、答えは日本の東レが開発した人造スエードのことでした。もう少し詳しく説明しますと、東レの子会社がイタリアのミラノで生産している人造スエードのブランド。マセラッティやランボルギーニの内装にも使われていて、自動車産業ではポピュラーな素材らしい。そうなると手触りだけじゃなく耐久性もバッチリなのではないでしょうか。

#007 シンプル系とは一線を画す メカニカル・ウォッチ、MASTER WORKS

ベルトを通して正面から見ると普通に4本のラグがある腕時計のようにも見えますが、少し角度をつけて見ると独特なフォルムが存在感を発揮します。で、裏蓋側からムーブメントを見たくなったらベルトを引き抜けばロータの回転する様子などを観察することができます。

#007 シンプル系とは一線を画す メカニカル・ウォッチ、MASTER WORKS

こちらはグレーの文字盤。金色ベゼルのモデルと同様に正面から見ると落ち着いた雰囲気ですけれど、いわゆるシンプル系ウォッチとは一味違う。見た目の個性に加え、「機械式腕時計が使いたいけれど、いつのまにか止まっていたりするのが不安」という人にも、12時位置にある指針がゼンマイのチャージ状況を知らせてくれるので安心なのです。ちなみにフルチャージすれば腕につけていなくても40時間は動き続けてくれるそうです。
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