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連載コラム/ガンダーラ井上の「時計 なんて、時計だって」 #008 バウハウスへのオマージュ Antea 1919

#008  バウハウスへのオマージュ Antea 1919
※本記事は2018年11月時点での内容です。
 
この腕時計は、ドイツの腕時計ブランドSTOWA のAntea1919というモデル。腕時計に必要とされる本質的な要素は何か? という課題に対する模範解答のような潔さを感じるデザインです。
#008  バウハウスへのオマージュ Antea 1919
こちらがSTOWAの腕時計を監修し、ブランドの運営もこなす時計師のシャウアーさん。2018年の6月に来日されたとき、新作のフリーガーと共にAntea1919のことも熱く語ってくれました。Anteaシリーズは、STOWAが1937年からリリースしていたバウハウススタイルの腕時計を現代に蘇らせたもの。2019年はバウハウス創立100周年なのだそうです。
#008  バウハウスへのオマージュ Antea 1919
ところで、バウハウスって何なのでしょう? これはドイツの街を走っているラッピングバスですけど、車体にBAUHAUSの広告が。やはり本国でもバウハウスの100周年で盛り上がっている!というのは勘違い。これは本家本元のバウハウスとは関係ない、金物とか大工道具なんかを売っているお店の広告です。
#008  バウハウスへのオマージュ Antea 1919
はい、これはバウハウスのトートバッグ。こっちが本家です。バウハウスとは1919年にドイツのヴァイマルで創立した美術と建築に関する学校です。その活動期間は短かったものの、現代の建築やデザインの世界に及ぼした影響はすこぶる大きいのです。いわゆるモダニズムの源泉となる思想は、このトートバッグに印刷されたデッサウ校の時代に生み出され、やがて民族主義を標榜するナチスから敵視され、ベルリンに移転した後1932年に閉校を余儀なくされます。
#008  バウハウスへのオマージュ Antea 1919
学校は閉じられても、芸術運動は死にません。そうしてバウハウススタイルの腕時計がSTOWAからリリースされたのが1937年。その精神を受け継ぐモデルとして、バウハウス創立の年号を記したのがAntea1919という次第です。ブラックダイヤルのモデルもシンプルで素敵です。
#008  バウハウスへのオマージュ Antea 1919
シャウアー氏が2009年に建てた、ミュージアム&工房の入った建屋。ドイツのフォルツハイムの郊外、エンゲルスブランドというに町にあります。ここでSTOWAの腕時計が作られています。様式としては赤いトートバッグに印刷されているデッサウの校舎を起源とする、バウハウス直系のモダニズム建築ですよね。シャウアー氏のストイックなものづくりへの姿勢は、バウハウスの思想と底通するものがあると思います。
#008  バウハウスへのオマージュ Antea 1919
Antea1919は、既発のAnteaシリーズよりも値段が安く、手にしやすいモデル。とはいえ内蔵された機械や組み立ての精度は同等で、ケースの仕上げをサテンフィニッシュにすることで加工の工数を減らすなどしてお値打ち価格を実現しています。サテンフィニッシュって、豆腐で言えば“絹ごし”ではなく“木綿”の味わい。個人的にはピカピカの鏡面仕上げよりも好みです。
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