“形態は機能に従う”というドイツ機能主義や日本の“詫び寂び”の理念を規範に、独自のミニマリズムを追求する『テンプション』。同社のデザイン哲学を象徴する集大成ともいえるのがこの「CM01」。視認性を損なわないようにロゴを文字盤と同色にするのは、ロゴに頼らずともアイデンティティーを主張できるテンプションならではのお家芸。文字盤のデザインは極めてシンプルだが、針の付け根を赤くすることで時分秒針の存在感を際立たせ、長めに引かれたインデックスが運針の円軌道を美しく見せている。デイト表示の拡大鏡(サイクロップアイ)はサファイアクリスタル風防の裏側をレンズ状に削る独自仕様。風防の凸部を無くして美観と強度を高め、全体の厚みを抑えている。機能性を重視した独自の工夫が、ミニマルな中に明確な個性を備えた美しいデザインを生んでいるのだ。